悩み事典約3分TOPIC / お金と数字

売上は分かるのに、いくら残っているかは即答できない|どんぶり勘定から抜ける手順

先月の売上はいくらでしたか。 たぶん、だいたい答えられると思います。

では、そこからいくら残りましたか。 ここで止まる人は多いです。

売上は通帳を見れば出ます。 残った額は、経費と未入金と支払い予定を全部そろえないと出ません。 そろえるのが面倒だから、感覚で済ませる。

これがどんぶり勘定と呼ばれている状態です。

「どんぶり勘定」は、意外と調べられている

この言葉がどれくらい検索されているかを測りました。 2026年8月1日、aramakijake.jp で取得した推測値です。

「どんぶり勘定」が月3,520。 この分野では大きいほうの数字です。

ただし、ここは正直に書いておきます。 この3,520には「どんぶり勘定ってどういう意味?」と語の意味を調べているだけの人が混ざっています。 自分の経営を何とかしたい人だけの数字ではありません。

その証拠に、悩みの言葉で調べている人はぐっと少なくなります。 「個人事業主 儲からない」が月56。 「忙しいのに儲からない」が月32。

つまり、言葉としては有名なのに、自分の状態としてそれを検索している人はほとんどいません。 困っていないのではなくて、困りを言葉にする前に日々が過ぎている、という順番だと思います。

会計ソフトを入れても直らない理由

どんぶり勘定の相談で、いちばん多い解決策は「会計ソフトを入れましょう」です。 半分は正しいです。 でも、入れても直らない人がいます。

理由はシンプルで、数字が一か所に無いからです。

売上はネットバンクにあって、経費のレシートは車の中にあって、まだもらっていないお金は見積書のフォルダにあって、来月出ていく支払いは頭の中にある。 ソフトは、入力されたものしか計算しません。 散らばったままだと、ソフトは空っぽのまま賢く待っているだけです。

道具が足りないのではなく、道具に渡す前の状態が整っていない。 ここを飛ばすと、月額を払って何も変わらない、という結果になります。

先にやるのは、1枚に集めることだけ

やることは一つです。 いま数字がどこにあるかを、1枚に書き出す。

売上はどこを見れば分かるか。 経費はどこに溜まっているか。 未入金はどこで管理しているか。 支払い予定はどこにあるか。

この4つの置き場所を書くだけで、たいてい「頭の中」が1つか2つ出てきます。 そこが穴です。

頭の中にあるものは、疲れている日に消えます。 消えたことにも気づけません。 だから残額が即答できなくなります。

AIをどこで使うか

ここでAIが効くのは、計算ではありません。 計算は電卓でも会計ソフトでもできます。

効くのは、バラバラの形をそろえるところです。

レシートの写真から日付と金額と店名を読み取って表の形にする。 メールや見積書に散っている「いつ・いくら・誰から」を抜き出して並べる。 先月と今月で、増えた費目だけを拾う。

どれも判断ではなく、転記と整理です。 人がやると面倒で後回しになり、後回しにすると穴があく作業。 そこだけ渡すのが、いちばん効きます。

逆に、いくら使うか、どこを削るか、値上げするかは渡しません。 そこは事業の判断で、材料がそろっていれば人が決められます。

まとめ

売上が分かって残額が分からないのは、計算が苦手だからではありません。 数字が4か所以上に散らばっていて、そのうち1つが頭の中だからです。

先にやるのは、置き場所を1枚に書き出すこと。 ソフトを入れるのはそのあとで間に合います。

AIに渡すのは、転記と整理。 判断は渡さない。

なお、改善したあとに「で、それは数字としていくらの差になったのか」を測る話は、別の記事で整理しています。 AIで業務改善しても損益が動かない理由

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