2026-07-21

LLMO対策・AIO対策は何をすべきか|AIに読まれるサイトと、読まれないサイト

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LLMO対策、AIO対策、GEO。 呼び方はいくつもありますが、聞かれていることは同じです。 ChatGPTやGoogleのAIが答えを返すとき、その中で自社が紹介されるにはどうすればいいか。

検索するとやるべきことが並んでいます。 llms.txtを置く。 構造化データを入れる。 どちらも定番として紹介されています。

ただ、2026年に入って出てきた実測データを見ると、この二つはどちらもほとんど効いていません。 一方で、あまり語られていない別の要因が効いていました。 この記事では、何が効いていて何が効いていないのかを、出典付きで整理します。

LLMO対策・AIO対策とは何か

言葉から整理します。

AIOはAI Overviews対策で、Googleの検索結果の上部に出るAIの回答に取り上げられることを指します。 LLMOはもう少し広く、ChatGPTやPerplexityを含む大規模言語モデル全般に引用されることを指します。 GEOもほぼ同じ意味で使われています。

呼び分けに大きな意味はありません。 どれも「AIが答えを作るときの引用元になる」ことを狙っています。

従来のSEOとの違いは、目的地です。 SEOは自分のページを検索結果の上位に出して、クリックしてもらうことを狙います。 LLMO・AIOは、クリックされなくても、AIの回答の中で名前が出ることを狙います。

なぜ今、対策が必要になったのか

日本語圏でも、この1年で状況が変わりました。

博報堂DYグループの調査では、AI検索の利用率は2026年2月時点で37.0%です。 1年前は10%未満でした。 生成AIそのものの利用率も、NTTドコモ モバイル社会研究所の調査で2026年2月に51%となり、前年の27%からほぼ倍増しています。

Googleの検索結果でAI Overviewsが表示される割合も、2025年5月の9%から同年11月には32%へ上がりました。 AIモードの日本語版が始まったのが2025年9月です。

そして、クリックへの影響が出ています。 Ahrefsが30万キーワードをSearch Consoleの集計データで調べた結果、AI Overviewsが表示されるキーワードでは、検索1位のクリック率が58%低下していました。 2025年12月時点の数値です。 同じ調査の2025年4月版では34.5%だったので、1年足らずで影響が大きく広がっています。

ただし、落ち続けているわけではありません。 Seer Interactiveの継続調査では、AI Overviews経由のクリック率は2025年12月の1.3%を底に、2026年2月には2.4%へ戻っています。 まだ動いている数値として見るのが正確です。

最初に確認すべきは、AIクローラーを拒否していないか

AIクローラーはHTMLを直接取得します。 したがって、そもそもアクセスを拒否していれば、引用される可能性はゼロになります。 どれだけ対策を積んでも、入口が閉じていれば意味がありません。

robots.txtでAI関連のクローラーを遮断しているサイトは珍しくありません。 サーバー負荷や、コンテンツを学習に使われることへの懸念から塞いでいる場合があります。 判断としてはありえますが、塞いだうえでLLMO対策を進めても噛み合いません。

確認する対象は、GPTBot、OAI-SearchBot、ClaudeBot、PerplexityBot、Google-Extendedあたりです。 自社のrobots.txtを開いて、これらにDisallowが設定されていないかを見ます。

学習への利用まで許可するかは、別の判断になります。 引用される側に回ることを優先するなら、全て許可する。 コンテンツを学習に使われたくない場合は、検索用のクローラーだけ許可して学習用を塞ぐ、という選び分けもできます。

ここが最も実行が簡単で、効果の確認もしやすい部分です。 そして、この記事で紹介する中で唯一、やらなければ他が全部無効になる項目です。

効かないことが実測で分かっている対策

ここが、この記事で最も伝えたい部分です。

まずllms.txtです。 AI向けにサイトの案内を記載しておくファイルで、対策として広く勧められています。

ところが、AIボットのアクセスを90日間・5億件規模で監視した調査では、llms.txtが実際に取得された回数は408件でした。 GPTBot、ClaudeBot、PerplexityBot、OAI-SearchBotのいずれも、このファイルをほぼ読まずにHTMLを直接取得しています。 Google側も2025年7月に、対応しておらず対応予定もないと明言しています。

次に構造化データ、JSON-LDです。 これも定番として紹介されます。

Ahrefsが新たにJSON-LDを追加した1,885ページを追跡し、AI Overviews、AIモード、ChatGPTでの引用の変化を測定した調査では、いずれのプラットフォームでも引用の増加は確認できませんでした。

誤解のないように補足します。 どちらも無意味という話ではありません。 llms.txtはStripeやVercelのような開発者向けサービスが採用しており、AIに開発を手伝わせる利用者にとっては実用的な価値があります。 JSON-LDは検索結果の表示制御では引き続き機能します。

ただ、「これを入れればAIに引用される」という説明とは別物だった、ということです。 対策として紹介されているものと、実測で効果が確認されているものが、現時点では一致していません。

補足すると、当サイトにもllms.txtは設置してあります。 定番として勧められていた時期に入れたもので、いまも置いたままです。 ただし引用効果を期待して置いているわけではありません。 設置コストが静的ファイル一枚でほぼゼロであることと、今後どこかの事業者が対応する可能性が残っていることから、外す理由もない、という位置づけです。

実際に効いている要因

では何が効いているのか。

2026年の引用要因分析では、ブランド名への言及と引用されやすさの相関が0.664でした。 これに対し、被リンクは0.218、ドメインの強さは0.18です。 従来のSEOで重視されてきた被リンクよりも、単に他所で名前が出ていることのほうが、3倍近く強く相関していました。

もう一つが情報の新しさです。 AIに引用されているページは、検索上位のページより平均で25.7%内容が新しいという結果が出ています。 公開したまま更新していないページは、順位が残っていても引用からは外れていきます。

そして構造です。 引用されているコンテンツの半数以上が編集記事型で、共通しているのは、その見出しの中だけで答えが完結していることでした。 サイト全体を読まないと意味が通らない書き方は、引用しづらいためです。

古いサイトと新しいサイト、どちらが不利か

ここは直感と逆の結果になります。

2026年6月時点で、主要なAIクローラーはJavaScriptを実行しません。 GPTBot、OAI-SearchBot、ClaudeBot、Claude-SearchBot、PerplexityBot、Meta-ExternalAgent。 いずれも生のHTMLを取得し、そこに書かれている内容だけを読んで次へ移ります。 5億件を超えるGPTBotのアクセスを解析した調査でも、JavaScriptが実行された形跡は確認されていません。 JavaScriptファイル自体はダウンロードしているものの、実行はしていない状態です。 例外はGoogleのGeminiで、これはGooglebotの描画基盤を利用するため実行できます。

つまり、本文をJavaScriptで後から表示する作りのサイトは、AIから見ると中身が空に近くなります。 最近の制作でよく使われる構成ほど、この問題を抱えやすい。

逆に、HTMLに本文がそのまま書かれている素朴な作りのサイトは、問題なく読まれます。 古いから不利なのではなく、後から描画する作りだから不利だった、というのが正確です。

避けるべきなのは三つです。 表示にJavaScriptが必須の作り。 本文が画像の中にしかない作り。 そして、更新が止まって情報が古いまま置かれている状態です。

SEOは不要になったのか

不要にはなっていません。 位置づけが変わりました。

引用要因の分析では、検索順位そのものが引用されやすさの上位要因として残っています。 AIは何もないところから引用元を選んでいるのではなく、既に上位に表示されているページを土台にしている部分が大きいためです。

したがって、SEOは直接クリックを得るための施策から、引用候補に入るための前提条件へ移ったと考えるのが実態に近くなります。 順位を捨てて対策だけを進めても、土台がないまま積むことになります。

何から手をつけるか

優先順位を整理します。

最初に確認するのは、本文がHTMLにそのまま載っているかどうかです。 ここが崩れていると、他をどれだけ整えても読まれません。 制作を依頼するときも、AIに作らせるときも、この一点を確認するだけで判断できます。

次に、記事の単位を見直します。 一つの見出しの中だけで答えが完結しているか。 検索から来た人が、そのセクションだけ読んで用が足りる形になっているか。 引用されるのはこの形です。

そして、更新を止めないことです。 新しさが引用に効いている以上、本数を増やして放置するより、本数を絞って更新し続けるほうが構造的に有利になります。

llms.txtやJSON-LDは、余力があれば入れておく程度の位置づけで足ります。 少なくとも、最初に手をつける場所ではありません。

まとめ

この記事の結論は、優先順位が世間の説明と逆になっていた、ということです。

先にやることは三つです。

  1. robots.txtでAIクローラーを拒否していないかを確認する。塞いだままだと、他の対策を何本積んでも全て無効になります
  2. 本文がHTMLにそのまま載っているかを確認する。JavaScriptで後から表示する作りだと、AIからは中身が空に見えます
  3. 一つの見出しの中だけで答えが完結する形で書き、公開後も更新を止めない。引用されているページは検索上位より平均25.7%内容が新しいという結果が出ています

後回しで構わないものが二つです。

  1. llms.txtの設置。主要なAIクローラーはほぼ取得しておらず、Googleも非対応を明言しています
  2. JSON-LDの追加。1,885ページを追跡した調査で、AI引用の増加は確認されていません

そして前提として、検索順位そのものが引用されやすさの要因に残っています。 SEOをやめてLLMO対策だけを進めるのは、土台を抜いて上に積むのと同じことになります。

自社サイトがこの三つを満たしているかどうかは、作りを見れば判断できます。 ただ、どこから手を入れるべきかは、いま業務のどこまでAIを使えているかによって変わります。 段階ごとに何を整えるかの全体像は、AI活用の計画としてまとめています。 https://net-future168.com/ai-master-plan

サイトの作りや業務の流れを一緒に見ながら進める場合は、こちらで対応しています。 https://net-future168.com/ai-consulting

自社に必要なのがサイトの改修なのか、業務側の仕組みなのかが分からない段階であれば、まず現在地の確認からで構いません。

参考にした調査

Ahrefs「AI Overviews Reduce Clicks by 58%」(30万キーワード/Search Console集計/2025年12月時点)。 Seer Interactive「AIO Impact on Google CTR: 2026 Update」。 博報堂DYグループ「AI検索白書2026」(AI検索利用率37.0%/2026年2月)。 NTTドコモ モバイル社会研究所(生成AI利用率51%/2026年2月)。 AIクローラーのJavaScript非実行に関する解析(2026年6月時点)。 AI検索の引用要因分析(ブランド言及0.664/被リンク0.218/ドメイン強度0.18)。 llms.txtのクローラー実測(AIボット5億件中408件)およびGoogleの非対応表明(2025年7月)。

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