2026-07-20
自分の仕事のどこにAIを使えばいいか、見つける手順
AIを使ってみたいけれど、自分の仕事のどこに使えばいいか分からない。
この状態から抜けるために必要なのは、AIの勉強ではありません。 仕事の棚卸しとは、一日の作業を見える形にして、自分が判断すべきこと・AIに補助させられること・仕組みで自動化できること・やらなくてよいことに仕分けることです。 AIを使う場所は、この棚卸しの結果として決まります。
ここでは、その手順を7つに分けて書きます。 紙とペンがあれば、今日中に終わります。
AIを仕事のどこに使えばいいかは、AI側からは決まりません
決まるのは、自分の仕事を書き出したときです。
AIにできることの一覧を眺めても、自分のどの作業に当てはまるかは見えてきません。 機能の名前と、自分の仕事の名前が、そもそも違う言葉だからです。
「要約ができます」と言われても、自分の仕事に「要約」という名前の作業はありません。 あるのは、現場から戻って報告を書く時間や、長いやり取りを読み返して要点を拾う時間です。
だから、AI側から探すのをやめて、自分の仕事の側から探します。
手順1.一日の仕事を、すべて書き出す
昨日か今日の仕事を、朝から順に書き出します。
きれいに整理する必要はありません。 「見積もりを作った」「LINEを返した」「材料を買いに行った」「請求書を作った」のように、やったことを並べるだけです。
このとき、手を動かしていない時間も書きます。
- 何をやるか考えていた時間
- 連絡を待っていた時間
- 忘れないように気にしていたこと
これらも仕事です。
手順2.繰り返している作業に印を付ける
書き出した中から、今週すでに2回以上やった作業を探します。
- 似た内容の返信
- 似た内容の見積もり
- 同じ場所への入力
- 同じ資料の作成
繰り返している作業は、改善したときの効果が回数分だけ増えます。 一度きりの作業を効率化しても、効果は一度きりです。
手順3.時間がかかっている作業を探す
次に、思ったより時間を取られた作業を探します。
ここで見落としやすいのが、作業そのものではなく、準備に時間がかかっているケースです。
- 見積書を書く前に、過去の価格を探していた
- 返信を書く前に、前回のやり取りを読み返していた
- 請求書を作る前に、どの作業をしたか思い出していた
「探していた時間」「思い出していた時間」は、作業時間として意識されにくい時間です。 しかし、ここが最も削りやすい部分でもあります。
手順4.判断の回数が多い作業を探す
一つの作業の中で、何回決めているかを数えます。
例えば見積もりなら、作業範囲をどこまで含めるか、追加料金をどうするか、値引きをするか、いつまでに出すか。 一つの見積もりの中で、何度も決めています。
判断が多い作業は、疲れます。 そして、判断基準が頭の中にしかないと、毎回ゼロから考え直すことになります。
判断そのものはAIに渡せません。 ただし、判断に必要な材料をそろえる部分は渡せます。
手順5.ミスや忘れが起きる場所を探す
過去に、忘れた・遅れた・抜けたことがある作業を思い出します。
- 返信を忘れた
- 請求を出し忘れた
- 予定を入れ忘れた
- 約束した資料を送っていなかった
ここは、時間短縮より価値が大きい場所です。 忘れないように気を張り続ける負担を、減らせる可能性があるからです。
手順6.ネットにつながっている情報かを確認する
印を付けた作業について、扱っている情報がどこにあるかを見ます。
- 画面の中にある(メール、LINE、写真、表計算、クラウド)
- 紙にしかない
- 頭の中にしかない
画面の中にある情報を扱う作業は、AIや自動化の対象として検討しやすくなります。 ただし、デジタルになっていても、責任が重い判断や例外の多い対応は人の確認が必要です。 紙や頭の中にしかないものは、まずデジタルにするところからです。
ここで対象が絞れます。
手順7.4つに仕分ける
最後に、印を付けた作業を4つに分けます。
- 自分が判断すべきこと(決める、責任を持つ、関係を作る)
- AIに補助させられること(下書き、整理、要約、比較)
- 仕組みで自動化できること(記録、通知、転記、計算)
- 今はやらなくてよいこと(やめても誰も困らない作業)
4つ目を作るのが大事です。 効率化する前に、やめられる作業がないかを確認します。
最初に手を付けるのは、一つだけです
仕分けが終わったら、次の3つを満たす作業を一つだけ選びます。
- 繰り返している(手順2で印が付いた)
- 情報が画面の中にある(手順6で確認した)
- 失敗しても取り返しがつく
この3つがそろう作業から始めると、失敗しても損失が小さく、効果は繰り返し回数分だけ出ます。 うまくいってから、次に広げます。
この手順は、紙とペンだけでも完了できます。 同じ棚卸しを、質問に答える形で短時間で整理したい場合に使えるのが、AI活用現在地診断です。
まとめ
- AIをどこに使うかは、AI側の機能一覧からではなく、自分の仕事を書き出すことで決まります
- 探すのは、繰り返している作業、準備に時間がかかっている作業、判断が多い作業、忘れが起きる作業の4つです
- 扱う情報が画面の中にあるかどうかで、AIや自動化の対象になるかが決まります
- 最初に手を付けるのは、繰り返していて、情報が画面の中にあり、失敗しても取り返しがつく作業を一つだけです
ここまで読んで「自分は何から触ればいいか」を整理したくなったら、次はツールを増やす前に現在地を確認できます。
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